肝試しの怪
投稿者:朧 (3)
短編
2022/10/03
18:58
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小学6年生の夏休み。友人5人と近くの寺に肝試しに行くことになりました。
寺に続く階段を1人で登って、賽銭箱の前に行って手を合わせてくる、という行って戻るまで3〜5分くらいのミッションだったのですが
夜の8時を過ぎており、かなり暗くなって不気味な雰囲気でした。
そのうちの1人が10分以上経っても戻ってこず、心配になって階段下で待っていた4人で見に行きました。
すると、賽銭箱の前で友人がボーッと立っており、声をかけると
振り返って焦点の定まらない目で4人をしばらく見回し、急にハッと気づいたような顔になると、
「あれ、なんでみんな来たの?」と言います。「何言ってるんだ、もう20分くらい経ってるぞ、なにやってんだよ」と私たちが言うと、
「え? 嘘だろ……あの人はどこへいったんだろう?」と言ったきり、またぼんやりとした顔で黙り込んでしまいました。
その後なにを訊いても生返事をするだけで埒が明かず、私たちも怖くなってきて、その友人を家まで送り届けて解散となりました。
それぞれの親に、子供がそんな時間まで外で遊ぶな!と怒られましたが、後日当人にその時のことを尋ねても何も覚えていませんでした。
特になんの謂れもないお寺だったのですが、いったいなんだったのか……。
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