謎のバイクの正体

これは私が中学生のときに体験した話になるのですが、その当時の私は両親と弟の4人で一軒家で生活していました。

そこまで田舎ではありませんし、周囲にたくさんの住宅が存在する住宅街で生活していたので、特に不安を感じるような経験もなかったです。

自宅から少し離れた場所に踏切があるのですが、その場所で私が中2のときに少し大きな事故がありました。

自分はその事故を直接見たわけではないのですが、両親から聞いた話ですとブレーキが壊れたのか暴走したバイクが踏切に突っ込んで、運が悪いことに電車に衝突して運転していた人が亡くなってしまったんです。

両親からはバイクは危険だからお前には運転させないなどと言われたことを覚えていますが、それから数週間くらい経過した夜にバイクのうるさいエンジン音が遠くから走ってくるのが聞こえてきたことを今で鮮明に覚えています。

私の周辺の道路は自動車やバイクも走るので、そこまで最初は違和感を覚えませんでしたが、それから毎日のようにうるさいバイクが自宅の前を走り抜けるようになったんです。

私は受験勉強もあってストレスが溜まっていたので、誰が運転しているのか見てやろうと夜に小窓の部分から見張っていたのですが、遠くからバイク音が聞こえて自宅の前を走り抜けたのですが、音だけが聞こえて実際のバイクは見えなかったことを覚えています。

明らかに前の道路を走っている音は聞こえたのに、小窓から見た道路には何も存在しない。

幻聴を自分は聞いているのか不安になったので、翌日に家族に聞いたらバイクの音が聞こえたと言われたので、背筋が一気にゾッとした気分になりました。