窓際の不気味な人形
投稿者:銀のロザリオ (1)
これは私が小学生の頃に体験したお話です。わたしの住んでいる町には小さな公園がありました。住宅街の中にある、とても小さな公園です。友達の家がそこから近かったこともあり、よくそこで遊んでいました。ですが、その公園には一つのうわさがあったのです。それは「その公園で一人だけで遊んでいると行方不明になる」といったものでした。
ある日、その公園で友達と一緒に遊んでいると、ふとあるものが目に入りました。公園に面した白い家、その出窓にたたずむ人形です。今となっては正確には思い出せませんが、確か「くるみ割り人形」のようなものだったと思います。おそらく、その家の人がインテリアとして窓際に飾ったのだと思います。その時点では何の不思議もありませんでした。
しばらくして、することがなくなったのでゲームしようという話になりました。ですので、各自ゲーム機をとるためにいったん自宅へ帰ることにしました。早くゲームがしたかったのでしょう。私は大急ぎで家に帰り、素早くゲーム機を手にし、また公園へと駆けていきました。そのため、私は一番乗りで公園へ戻ることができました。
しかし、ここであることに気が付いたのです。公園に面した白い家、その窓際にあった人形が180回転してこちら側を向いていたのです。普通、人形を「外側」に向けて置くことはしません。それだけでも不気味なのに、公園を離れたほんの一瞬で人形の向きが変わったこと、そしてなにより「今自分は公園の中で一人きり」だということに恐怖を感じました。もしあのうわさが本当なら、私は行方不明になってしまいます。怖さに耐えきれず、公園を離れて友達の家へ向かいに走り出すと、その途中で友達と合流することができました。そして、人形を確かめに友達と一緒にまた公園へ向かうと、その人形は姿を消していました。人形のことを友達に聞いても、「そんな人形あったっけ?」などといわれ、まったく相手にしてくれません。結局、恐怖心はあったものの「一人きり」ではないから大丈夫か、と思いその話はそこで終わりました。その後は特に変わったことなく、ゲームで遊び、解散しました。
あの人形が何だったのか、ただ単に白い家の家主が遊び心で人形を外に向けたのか、それとも、公園のうわさに関係した恐ろしいものだったのか、真実はわからずじまいです。ただ一つ言えるのは、「一人きりで遊んではいけない公園に一人で居たら不気味な体験をした」ということだけです。それ以来、その不気味な人形を目にすることはありませんでした。
ちょっと怖いね…
なんつーか、良い意味でオチが無いのが逆に現実味ある感じで…子供だからこそ怖かったらすぐ逃げ出しちまうリアルさがいい
よくわかんねーや、でも怖い!