廃墟病院で見たもの

今から２０年近く前の話なのですが、当時仲の良かった友達４人で心霊スポット巡りをしようということになり、某雑誌に載っていたとある廃墟病院に行ってみることにしました。

私自身は幽霊などは信じていませんでしたので軽いお遊びの気持ちで向かいました。

到着すると別の人たちが数人いて怖さをより感じませんでした。

私たちはせっかくだから前の組が帰ってからゆっくり中に入ろうと待っていたのですが、なかなか帰らなかった為、隣の棟に入ってみることにしました。

隣の棟もどうやら病院として使っていた場所らしく、中に入ってみると診察室や手術室や病棟がありました。

作りが昭和な感じで少しここでなにか不気味さを感じました。

診察室を覗いていると突然「ジリリリリン」と黒電話の音が鳴りました。

さすがに恐れおののきましたが、すぐにいたずらで誰かが鳴らしているのだと解釈したのですがまだ電話は鳴っています。

そしてどうしてかふざけた友達の一人が電話を取ってしまったのです。

すると「手術室に来てください」電話越しにそういわれたようです。

また別の友達一人は怖くなって車に戻ると戻っていきました。

そして怖いもの見たさの残った３人は手術室へ向かいました。

すると何もありません。

がらんとした手術台のベッドが置いてあるだけでした。

私たちはホッと胸をなでおろし、「そろそろ車に戻ろう」と思った時、奥にあるふすまの扉が何故か妙に気になってしまい、私は一人で歩いていきました。

そしてふすまを開ける勇気がなかったので穴の開いたふすまから奥を覗いてみました。

そして見てしましました。

「！！！！！」驚きすぎて声がでず後ずさりです。

動かなくなった足を引きずり車まで戻ろうとします。

穴の開いたふすまから見えたのは「人の目」でした。

あちらからもこちらを見ていたのです。

何かこの世のものでないものが私をじっと見ていました。

恐怖のあまり帰りの車の中ではこの話をできぬまま帰宅しました。