霊園前の騒音
投稿者:徹 (13)
短編
2022/07/20
00:51
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これは、私が中学生の時のお話です。
当時の私は、山で友人と秘密基地を作ることに夢中になっており、よく近所の山に行っていました。その山には霊園があり、秘密基地を作りに行く際には、その道を通らなければなりません。そこを通る際は少し怖かったのですが、秘密基地を作りたいという欲求には勝てず、怯えながらも通っていました。
その霊園前の道は、朝から夕方にかけては特になにも起こりません。しかし、夜になりその道を通ると、「カーーンッカーーンッ」と、まるでガードレールに石をぶつけたかのような音が鳴り響くのです。最初は私も、風によって小石がなにかにぶつかった音や、霊園だから鐘に関する音だろうと思うようにしていました。
しかし、秘密基地を作りをした後に帰る時間はいつもバラバラ。それにも関わらず、夜はいつもその場所を通るたびに鳴り響き、怖くなって走ると、まるでなにかが追いかけてくるように、霊園の方から「カーンッカーンッカーンッ」と鳴り、霊園前を通り過ぎると、ピタリと鳴り止みます。
そして、私が大人になり、フッとしたキッカケでその霊園前の道を夜に通ったのですが、特に何も起こらずに例の音も聞こえませんでした。
一体、あの騒音の正体はなんだったのか、いまだ原因は不明のままです。
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