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心霊

菊地@春樹EXEさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

故郷の悲しきトンネル
短編 2022/06/30 08:06 1,018view

自分はお盆に入り、里帰りをすることにした。

カーナビに自分の故郷の家を目的地として車を走らせた。高速道路に乗るが特に渋滞に巻き込まれることもなく、自分はトンネルに入った。と、奇妙な事が起きた。

奥の方から車がやってくる音が聞こえ自分は「里帰りかな?」とふと反対車線を見ると…車が来るのだが車体は80年台の赤いスポーツカーだった。

と自分は車を見てびっくりした。

タイヤがついていない。

なのに人が乗っている。三人も。

見れば夫婦と赤ちゃんだった。

自分はそれが過ぎ去るのをじっと見ていたがトンネルの出口の付近で気づいた。いない。

赤いスポーツカーが。さっきすれちがったはず。

自分はパニックになり近くのパーキングエリアに止まり中の店でコーヒーを飲みながらあの話をした。すると隣にいた男が「あんたも見たんだな。あのスポーツカーを」と言って来たために自分は詳しく教えてくれと言うと男はゆっくりと話し始めた。

「あれは昔、自分がまだ車屋にいた頃だ。ある二人の若い夫婦がよ、赤いスポーツカーを買いに来たんだ。しかも赤ん坊を連れてな。だが買ってから三日後の事だ。その車は運悪く事故っちまったんだ。乗っていた三人は死んじまって車の走行距離は5キロだった。まだまだ走りたかったのにその矢先に事故っちまったんだ。可哀想な夫婦だよな。そしてあのスポーツカーはタイヤを外されて今なおゴミ置き場にあるんだがその日からこの高速道路沿いではよくタイヤを外されている赤いスポーツカーが出るようになったらしい。あの夫婦は死んだ後もドライブを続けているんだろうな。」とその話を聞いていた自分はコーヒーをじっと見つめていた。その後自分は決して事故を起こさないように胸に誓った。 (終)

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