とても眺めが良いのに「出る」橋

長野県I市に、「出る」ことで有名なとある橋があります。
それは市街地から少し離れた場所にあり、山と山の間の高所に架けられているので見晴らしは抜群。
緑豊かな渓谷や雄大な川、少し遠くに見える街並みを一挙に望むことができます。

しかし、こんな風光明媚な場所だからこそ「最後の場所」として選ばれやすいのかもしれません。
ここは残念ながら飛び降り自殺の多い場所としても知られています。
橋が高い所にあるうえ、下の川が大きくて深いという点も都合が良いのでしょう。
よって地元には、この橋に関する怪談がたくさんあります。
無論、用事もないのに好き好んでここを通る地元民はあまりいません。

一方ここは全国的に有名な心霊スポットだからか、全国から度胸試しのために若者やヤンキー、最近ではYoutuberのような者も来ているようです。
しかし、夜中に騒ぐ彼らを注意したり、取り締まったりしようとする人はいません。
なぜなら鈍感な人間でさえ、何かを感じて長いこと留まることはできないからです。

ちなみに地元では「ここに徒歩で来ると、別に死にたくもないのに川に飛び込みたくなる」だとか「夜に行くと何度も飛び込み自殺を繰り返している人が見える」、「うっかり景色に見とれて柵に近づくと、柵を超えてしまいたくなる」などのうわさがあるそうです。
また知人は夜、車でここを通ったことがあるらしいのですが……橋を通っている時には何も起こらなかったものの、橋を渡り切ってしばらくした後、隣の席にずぶ濡れの人がいるのが一瞬見えたことがあるそうです。
男か女かはよく分からない（たぶん男？）そうで、年齢は3、40代っぽかったという話ですが、もしかするとあれは……

ともあれ、心霊スポットには面白半分で行かない方が良いです。
負のエネルギーに引き込まれて、とんでもないことに巻き込まれるということもあるそうですからね……