見えない境界線
投稿者:かがち (5)
これは以前、私が引っ越す前の家でのお話です。
私はたびたび、「そういったこと」を感じたり経験したりすることはありましたが、
これは一歩判断を間違えていたらどうなっていたか、と思うと今でも息がひゅっと詰まるお話しです。
ある夜、私はいつものようにベットで横になり、電気も消し既に眠りについていました。時間は0時前頃だったでしょうか。
ベットで横になると、部屋の入り口は足元の方向になります。
私は人の気配にも敏感で、家族であれ気配を感じると一度起きてしまいます。
そしてその夜も、誰かの気配で起きることとなったのですが、それが知る人でないことにすぐに気が付きました。
霊感がある、かは分かりません。視えるわけではないのですが、頭の中にイメージが勝手に出てくるのです。
そのイメージからすると、年老いてはいないが、若過ぎいもしない男性が、私の部屋の内側のドアの前に立っていました。
ただスッと立っているだけ、前を見ていて、私の方を見ているわけではありません。ですがずっと、そこに立っています。
私はその人に気付いていると知られてはいけない!と咄嗟に感じながら、携帯の時間を見ると「夜中の1時58分」これはまずい。と感じました。
2時から4時はいけない時間。これをご存知の方はいらっしゃると思います。そしてそれは私からすると本当の話。
動くにも恐怖で動けず、電気を点けるにもスイッチは男性の隣…そしてもう、時間はない。
私には成す術もなく、時間が2時なったであろう瞬間、、、
ドアの前にあった男性の姿は、一瞬にして私のベットのすぐ横まで移動していたのです。
私は理解した瞬間、息が詰まりました。それでも動じないように、気付いたと気付かれないように、精一杯でした。
なんとか意識を保とうと、頭の中のイメージに集中すると、移動はしたものの、やはり私を見るでもなく前を見たままです。
ですがそれ以上どうすることも出来ない。
よく、怖いものを感じた時は、母に教えてもらったことを頭の中で言葉にします。
自分にはどうすることも出来ないと、助けてもらえる人の処に行ってください。と
ですが今回は、あまりの恐怖に気を失ってしまったのか、は正直分からないのですが、
気が付いたら朝を迎えていました。起きた時には何もなく、いつも通りの自分の部屋でした。
そして確かに息が詰まるほどの恐怖でしたが、もう大丈夫、という気持ちが自分の中ではハッキリしていて、
それ以降、同じ人に会うことはありませんでしたが、当時の職場の先輩のお母さまがそういった事に詳しく、お話を先輩伝いで聞いていただいたら、
そこには「見えない境界線」があったから、ということでした。たまたま迷い込んだのだろうが、その者に勝手に境界線を越えることは出来ない。
2時に近くなったのは力が増したからだろうが、悪さをするためにそこに居たんじゃないと思うよ。とのことでした。
ですが、その境界線を越えることを許していたら、危なかった。とのことでした。
私はそれ以上、知らないでいた方がいいと思い、詳しくは聞いていませんが、本来家にはしっかり境界線があり、
だからこそ「いらっしゃい」など許す言葉は慎重に使わなければならないと教えてもらいました。
あの時の私の判断で、どうなっていたか分からない。そう思うと今でも鳥肌が立ちます。
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