停電と太鼓の音
投稿者:ミッツ (3)
私がまだ小学生だった時の事です。
当時、私は共働きの両親と弟と暮らしていました。
ある日、母親が夜勤に行き、まだ父親も帰ってこない0時頃、突然家のブレーカーが落ちました。
家は真っ暗になり、季節もそんなに暖かい時期ではなかった為、私は弟と寄り添うようにして布団の中に籠もり暖を取りました。
そんな都会に住んでいた訳でもないので外に街灯は少なく、家の中は本当に真っ暗になりました。
しばらくしてからです、深夜だと言うのにどこからか太鼓を叩く音のようなものが聞こえてきました。
ドンドドンとまるでお祭りの時のように鳴り響く太鼓の音が怖くて、弟に「ねぇ、太鼓の音聞こえない?」と聞いたら、弟は「聞こえない」と言うのです。
いくら反抗期真っ只中の弟とはいえ、お互いに怖くて縮こまっているのに冗談は言わないだろうと思った私は、自分だけに聞こえるこの太鼓の音がなんなのかわからず、余計に怖くなってしまいました。
徐々に大きくなる太鼓の音、そして外から街灯もないのに強い光が差し込みました。
この時は車の明かりだろうと思いましたが、今思うと変なのです。
家は狭い道路沿いにあって、突き当たりとかにありません。
それなのに真っすぐと、その光は家の中を照らしていたのです。
まるで家の窓の前に真正面に車が止まっていて直接明かりをつけているみたいに、でも家と狭い道路の関係上、どうしてもそれはできないはずなのです。
しかもどんどんその光は強くなっていきます、私は目をぎゅっと瞑り、そのまま眠ってしまいました。
目が覚めると朝になってました。
弟は隣で眠っていて、遅くに帰ってきたであろう父親が朝風呂に入るところでした。
私が「ブレーカーあげてくれたの、ありがとう」と言うと、父親はきょとんとした顔をして「ブレーカーなんか落ちてなかったよ」と言うではありませんか。
私は再び怖くなりました、起きた弟は私同様真っ暗になっていたと言います。
では一体誰がブレーカーを上げたのでしょうか?
あの太鼓の音と光はなんだったのでしょうか?
真相は今でもわかりません。
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