呪いは簡単に

　
　私が小学3年生の頃の話である。その時、バカな私なりの理由で嫌いな奴がいた。今では呪った理由も呪った相手も忘れたが、一応名前をKとしておく。
　当時、私の学校では3年生だけが新校舎と呼ばれる場所で勉強していた。比較的綺麗な校舎で、学校の怪談とは程遠い景観。校舎の造りは二階建ての簡素な造りで、まず、下駄箱を真っ直ぐ通ると廊下の突き当たりに着き、そこの右手に階段がある。それを登って2階に着くと右手に窓がある。その窓からは校庭の一部が見える。この窓こそが私が呪いに使った窓である。どう見ても普通の窓である。しかし、私はこの窓とそこから見える校庭を利用し、Kを呪った。なんの用意もなしに。　
　なぜこのやり方をふと思い付いたのか（当時は呪いについて無知で事前知識もない状態だった）到底理解できないが、そのやり方を以下に記す。

①自分の願い（呪い）を叶えてくれる者とそれを無効化、解除する者の存在を考える。出来るだけそれぞれが正反対の存在になるようにする。それ以外は何でもいい。当時の私は流行っていた伝説のポ○モンを利用した。
②窓の前に立ち、目を閉じ願いを叶えてくれる存在が目の前の校庭にいることを想像する。
③想像できたら心の中で、「〇〇（なんでもいい）の英雄の△△よ。私の願いを叶えてください。〇〇を呪ってください。」と唱える。

以上である。こんな簡単なことだけである。

　あまり詳しい手順は覚えていないが、このような方法でKを呪った。その後のKはお約束通り、原因不明の高熱を出した（友達ネットワークより聞いた）。そのことを聞いた私はまさかと思い、呪いを解除することにした。やり方は以下の通りである。

①窓の前に立ち、呪いを解除する存在が目の前の校庭にいることを想像する。
②想像できたら「〇〇（呪う存在の対義語がいい）の英雄の××よ。私の願いを叶えてください。〇〇の呪いを解除してください。」と唱える。

以上で呪いが解除される。
　これを行ったことで私からのKへの呪いは解除され、翌々日には学校に来ていた。
　もちろん私は呪術系の家系ではないし、先ほど書いた通り呪いに対して無知である。けれども、私はKを呪うことができた。つまり、呪いというのは大層な準備など要らず、自分で考えた独自のやり方を信じることで簡単にできてしまうものである。そのため、皆さんには呪うことも呪われることにも気をつけていただきたい。呪いは簡単なので。

以上が私の体験談です。稚拙な文ですが、読んでいただきありがとうございます。