鳥と爺
投稿者:黄桜 (2)
九州のとある県に住んで長く経ちます。
特定されやすいキーワードもありますし、お店の方などに迷惑がかかるといけないので県名は伏せますがちょっと調べたらすぐに分かるかもしれません。
他県から移住した私にとって九州、特にこの県は、よく知られる「そういう意味メ」で怖い、以外でも異質な地で、他人より多少感覚の鋭い私は奇妙なことや不思議な体験が多い地と感じています。
そんな体験の中でも、話すとシンプルなのに心情的にはランキング上位を確実にする出来事がありました。
想像すると怖い、意味がわかると怖い、そういうものでは無くてダイレクトに怖いと感じたのはこれだけかもしれません。
職場の近くには一つの古い喫茶店がありました。
昔ながらの純喫茶のような構えでランチもやっていたので年配の方は良く利用されていました。
コーヒー好きな私、実はその店が苦手だったのですが、近場でランチを取れるいい店もあまりなく、短い昼休憩をゆっくり過ごすにはちょうど良かったので偶に訪れていました。
なんだかんだで週に1・2度、5年くらいは訪れていたと思います。
苦手だった理由は店主のお爺さんが飼っているオウム。
40cmほどの大きなオウムが店内で飼われていて、客が少ないときは店主がケージから出してカウンターの上で放し飼いにするのです。
「衛生的な面でルーズな店」というイメージがついてしまい、結局最後はやはり衛生面でのトラブルがあってそこに行くことはなくなったんですが。
それまで只のイチ客としてでお爺さんと注文以外で話すこともないし、どちらかというと毎日来る常連に紛れたタダの客でした。
その店に立ち寄らなくなって1年ほど経った頃のこと。
その店の近くには50m四方ほどの古い小さな公園があって、繁華街もすぐ傍なのに雑草も伸び放題、昼間でも薄暗くて夜中なら犯罪でも起きそうな、あまり人の寄り付かない汚い印象の場所。
それでも私はある程度体力に自信のある男だし、薄暗いと言っても視界がわるいわけでもないし、周りには店もあるし、特に朝の通勤時は公園を斜めにショートカット出来るのでそこを通る事は少なく無かった。
ところで、公園のショートカット終着点、方角的には職場側の公園の脇には公園に沿って小さな小道(ビルとビルの隙間程度。昔公園の場所にビルがあったとしたら納得な裏路地の片側が公園になって開放された感じ)があって、その通路と公園の境にだけ金網のフェンスが設置されていた。
くすんだ緑色のよくあるフェンス。
その日はいつもよりだいぶ早目に会社に着くくらいの通勤で、と言ってももう8時頃だったと思う。
普通に明るい朝の出勤。
いつもの様に駅を降り、公園をショートカットして職場方向に歩いていた時だった。
携帯を見ながら歩いていて(公園を出るころかな)とふと顔を上げると、フェンスの右の端、爺さんが小道側からフェンスにもたれてこちらを見ていることに気付いた。
隣にはフェンスの上端に止まった大きな鳥。
店主の顔も覚えていたし、何よりこんな大きな鳥もそこらでは見ないのですぐにわかった。
(あ、あの喫茶店の店主。鳥の散歩?とかするのかな?今までみかけたことないけど)
と思った時、店主が会釈をした。
親しい訳でも無いし、ましてや碌に話した事もない。
行かなくなった理由のトラブルっていっても、ちょっと声掛けてカップを変えてもらった程度。
周りにも誰もいない。
なんかで覚えてくれてた?
読んでて面白かったです。
ご意見大変参考になりました。
どんな感じなのかなと、体験談を書き始めてみましたが、ご意見を参考にここからもう少しずつ怖い話書いてみようと思います。 黄桜
公園で喫茶店の店主がオウムの剥製か生体かと一緒に座って、鳩の鳴き真似してたのかな?
オウムとかインコは声帯模写できるからオウムの鳴き真似だと思うよ!何が怖かったのかわからないけど!
そうゆうところを怖がる話なのかな?