小さいおじさんとの不思議な体験
投稿者:一騎当千 (2)
大人になった今でも時々思い出す、ある不思議な記憶の話です。
小さい子って、何か違ったものが見えていると思うんです。
私は小学生の頃、コロボックルという小人の話が好きで同じシリーズの本をよく読んでいました。指のサイズほどの小人の世界が広がっているんだという物語は、完全に作り話とは思えずどこかに存在しているんだろうと自然に受け入れていたと思います。
ある時、母親に聞いてみたんです。
「コロボックルって知ってる?」
知らない母親に、物語のあらすじを教えると、驚いた顔で「そういえば◯(私)が2歳のとき突然何もない壁を向いて、ちっちゃいおじさんがいるー!って言ってたよ」と。
そんな物心つく前に見えてたの?と、寒気がしました。
幼い自分は何も疑わずに本当のことを言っていたに違いありません。もう見えないってことはコロボックルとは会えないんだなぁと不気味ながらも落胆しました。
それからすぐの事です。
一人で留守番をしていました。電話のある玄関口の台まで行き、メモ帳に鉛筆でなにかを書きました。鉛筆がふいに落ちてしまい、床を見たんです。
しかしどこにも見当たりません。周囲には隙間もなければ穴もなく、隠れるスペースなど全くないのです。
私は「コロボックルが来たんだな、じゃあ仕方ない」と妙に冷静になっていました。もうちっちゃいおじさんが見えなくなったと落ち込んだ私に、コロボックルが居るよとアピールしていると思えたからです。そこから床に落ちたまま消えた鉛筆は、見つからないままです。
小さいおじさんは、何者?