手を振る女の子が実は・・・

小2年の頃、私はいつも両親が帰ってくるまで一人で過ごしていました。ある日の夕方、窓の外を眺めていると、7～8メートルくらい先にある家の窓から女の子がこちらに向かって手を振ってくるのが見えました。

それから夕方になると、手を振り合う日がしばらく続きました。女の子は近所に住んでいるのに見かけない子でした。

そんな日が1か月ほど続きましたが、女の子はパタリと姿を見せなくなりました。

ある夜、両親が仕事から中々帰ってこず、寂しさに耐えられなくなった私は窓を開けて外を見ました。すると、女の子がこちらを見ているではないですか！私は思いっきり手を振りましたが、女の子は窓枠に肘をついてこちらを見ているだけでした。

次の日、学校からの帰り道に女の子の家の前を通ると、警察官が何人かおり救急車も来ていました。女の子が亡くなっていたのです。死後2,3日たっていたそう。

女の子は父親と二人暮らしで、育児放棄をされていたとの事。食事も満足に与えらえていないと噂になっていたようですが、事件性はなく病死なのだそうです。

そこで疑問が。昨日確かに女の子を見たのです。私は近くにいた若い警察官に「すみませーん、私昨日女の子の事見たんですけど」と、言ってみたものの「はい、どいてどいて」と、あしらわれてしまいました。

シュンとして帰ろうとしたその瞬間、肩をグイっとつかまれ振り返ると、先ほどの若い警官がニターと微笑みかけながら「ありがとう、来てくれて」と、言うのです。

私は怖くなって一目散に走って逃げました。あの瞬間若い警官に女の子が乗り移っていたのだと思います。