黒い穴と青い少年
投稿者:あかり (7)
私が6歳~7歳頃のことです。当時私たち一家は町営の団地に住んでおり、毎晩畳の部屋に家族分の布団を並べて川の字で就寝していました。
ある日の夜中、小さな「コオォ~」という音が聞こえて私だけ目を覚ましました。目を開けると、目の前(天井)に黒い穴が開いていました。畳半分くらいの丸くて黒い穴で、その穴の中に小さな光のようなものが吸い込まれていくような光景でした。(「元気100倍!アンパンマン!」のアンパンマンの大の字のポーズの背景の光のような感じ)
しばらくぼーっとその穴を見つめていましたがだんだん頭が覚醒して怖くなってその穴から顔を逸らしました。
逸らした私の視線の先に廊下を挟んで物置部屋があり、全ての電気を消灯しているはずなのになぜか青いランプが点いているかのように部屋の中が青く照らされていました。
不思議なその光景に呆然としましたが、私は物置部屋のタンスに人の横顔のようなものが映っているのに気づいたのです。中学生くらいの男の子だったと思います。
私はパニックになってしまい、小声で助けを求めながら隣で眠る母を揺さぶりましたが母は起きてくれず、寝返りを打って反対を向いてしまいました。
天井の穴は徐々に黒く濃くなっていくような気がして直視できず横の物置部屋を見ると、男の子と目が合ってしまいました。
それ以降の記憶はありません。気づいたら朝になっていました。
私は夢でも見たのかと思いましたが、朝、母は「昨日お母さんのこと起こしたよね?なんだったの?」と聞かれたので夢ではなかったようです。
当時は一軒家を建てている最中で完成までの間だけ住んでいるだけだったのですぐに引っ越してしまいました。
あれ以降2度とあの穴と少年は見ませんでしたが、新しい家では、私が家で一人きりでいると誰もいないはずの部屋や階段から足音が聞こえるようになりました。しかも、私たちが団地を出て行ってから10年後、あの部屋で火事が起きました。幸いにも建物は無事であの部屋だけ焼けてしまったようです。
あの少年はいつかあの部屋が燃えてしまうことを知っていて、私についてきたのでしょうか。あの穴もなんだったのでしょうか、とても不思議な体験をしました。
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