誰だったんでしょうか
投稿者:ヒサ (3)
私が学生の時に住んでいた賃貸はドアを開けると小さなキッチンがあり、奥にはユニットバス、キッチンの隣が6畳の部屋になっていて、引き戸で区切られていました。
その日も友達数人と部屋で飲んでおり、終電も無くなったのでみんな泊まっていくことにしました。
みんなが寝静まってどれくらい時間が過ぎたのか、いきなりドアが閉まる音で目が覚めました。「誰かが帰ったのかコンビニでも行ってたのかな」と思いましたが、みんな揃って寝ていました。
「みんないるし、誰か来たのかな」と思いました。私の部屋は学校から近く溜まり場になっており、バイト終わりの友達や飲んで終電を逃した友達が連絡も無く来る事はよくありました。
私もその日は友達と飲んでいたのでドアの鍵を閉め忘れたのかなと思っていました。するとまたドアが開く音がした直後にバタンッ!とドアが閉まる音がしてキッチンを誰がウロウロしているのか足音が聞こえました。
けど何故か部屋に入ってこないでキッチン側をいつまでもウロウロしているのです。
「みんな寝ているから気にして入ってこないのかな?」と思い、「入って来ていいよ!」と声をかけました。しかし返事も無く、いつまでもキッチンをウロウロしている足音だけが聞こえてきました。
誰が来たのか気になりましたがあまり大きな声で呼び掛けると寝てる友達を起こしてしまうので、私が引き戸を開けてあげようと思い起き上がると足音が止まりました。
ちょっと気持ち悪いなと思い何だか怖くなった私は引き戸を少しだけ開けて誰がいるのか覗こうと思いました。
引き戸の隙間にゆっくり顔を近付けて覗き込むと、向こう側からこちらを覗き込む目が私の目の前にありました。向こう側にいる人も私と同じように隙間からこちらを覗き込んでいたのです。
もう後には引けないので怖い気持ちを抑えて一気に引き戸を開けました。しかしキッチン側には誰もいませんでした。奥のユニットバスも確認しましたが誰もいません。玄関を確認すると鍵が掛かっておりドアチェーンもしてありました。
怖くなった私は友達を起こして今あったことを全て話しました。友達は「ドアの音なんてしてないよ。夢じゃない?」と言っていました。
だけど私は本当に何かいたと思っています。何故かと言うと、キッチン側の引き戸に皮脂のような跡で右手の手形、おでこと鼻を押し付けたような顔の跡が残っていたからです。
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