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不思議体験

毅さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

占い師
短編 2021/01/01 18:40 2,522view

おかんが亡くなってから、不思議な体験をする事が多くなった。今日は、その中のひとつを投稿しようと思う。前の話と少し繋がってるので読んで貰えたら、わかりやすいかもしれません。

おかんが亡くなって3年経つのだけど、不思議な体験をしたのは今から2年程前、おかんの一回忌が終わった頃の話。

その頃の私は、おかんのお見舞いに行く為だけに色んな事を頑張ってきたし、どんな事があっても、おかんがいたから乗り越えられた。けど、おかんが亡くなってから私は何の為に頑張ればいいのか…。最期におかんと話せなかった事が心残りで、おかんに会いたい。おかんと話したい…と毎日思っていた。

あの日、私の事を心配して夢に現れたおかんを忘れられなかった。亡くなってまでも心配かけてる私…もう自分が情け無くて…おかんと話したい、会いたい…そんな気持ちが私を占いに導いた。

ネットで近くの占い師を探して、予約したのだけど…冷静に考えて、初めての占い。当たるのかもわからない。亡くなった人と話せるかとわからない。かなり高い金額だし、行くの面倒かも…と予約した事を後悔した。

予約の当日、キャンセル料を払いたくなくて面倒だったけど、占い師さんのところまで行った。

占い師さんは50代くらいのおばさんだった。
なんか嘘くさいな…なんて思いながら、おかんの事を聞いてみた。亡くなった事は言ったが、それ以外は言わずに。
占い師さんは、あなたの傍にいるよ。と言って、紙とペンを持ち何かを書いた。見てみると部屋の間取りみたいだ。え…待って…これ、私の家の間取り…。

占い師さんは部屋の間取りの角に丸を書いた。あなたが家にいる時は、ここにいるよ。あなたの所が居心地が一番良いんだね。もし引っ越しても、あなたの傍にずっといるよ。お母さん、明るい色が好きなのね。お花が好きだったんだね。あと料理あんまり得意じゃなかったけど、揚げ物が多かったでしょ。それは、あなたが揚げ物が好きだったからよ。私は気付いたら大号泣してた。部屋の間取りも、好きな色も、花が好きな事、料理が不得意だったこと。全て当たっている…。何より、おかんは私の事が心配で傍にいるのではなく、一番居心地が良いから、私の傍にいる事がわかって、私の心の中あった何かが取れて楽になった気がした。
他にもスバスバと言い当てられ、気持ちが良く清々しい気分で占いは終わった。

家に帰る途中、占い師さんに言われた事を思い返していた。ふと花屋が目に入り、あーおかん花好きだったな。買って帰ろうと思った。花には知識がないので、おかんが好きな色の花を買った。赤いガーベラとピンク色の蕾が沢山ついてる花を。
しばらく部屋に飾っていたのだけど、ピンク色の蕾が一向に開かない。私は何の花が知りたくなり、調べてみた。どうやら、ヒペリカムという花で蕾を楽しむ花みたいだった。なんだ咲かないのか…と残念に思っていると花言葉が目に入った。
ヒペリカムの花言葉は「悲しみはつづかない、きらめき」だった。赤いガーベラの花言葉も気になり調べてみると、「神秘の愛、前向き、限りなき挑戦」

偶然かもしれないが私には、おかんが「いつまでも悲しんでないで前を向きなさい。あなたには夢があるでしょう。自分を信じて立ち向かいなさい。大丈夫。いつも傍にいるから。」と言ってくれているみたいで、また大号泣した。

それから、心配で傍にいるのではなく、居心地が良いから私の傍にいるとわかってから仕事も前向きに取り組み、上司からも社長からも信頼される社員になれた。
あとは、結婚かな…なんて思ったり。笑

おかんの気持ちがわかった事、自分が前向きになれたことは、あの占い師さんのおかげだと思います。ありがとうございました。

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