これは、私の知り合いから聞いたエピソードです。
彼は当時30代の会社員でした。
しかし、上司との人間関係で悩み、所謂パワハラのような仕打ち
により精神的ダメージを受け、会社を辞めてしまってから数カ月
経った時の話です。
あんなにも頑張っていたのに、なぜ自分ばかりが責められなければ
ならないのかと自暴自棄になり、その頃から新聞やワイドショーで
他人の不幸なニュースにばかり興味を引くようになったといいます。
特に、新聞や週刊誌の不幸な事故や事件の記事を切り抜き、それを
眺めては「不幸なのは俺だけじゃない」とほくそ笑んでいたようです。
また、インターネットで残虐な事件現場や凄惨な事故現場の画像等を
収集するようになり、そういった情報を見てイライラを解消して
いたというのです。
夜更けまでそういった資料や画像を読み漁り、精神的にも欲求的にも
徐々にエスカレートしてしまったのです。もう彼自身では制御不能に
陥り、ダークな危険な映像を求めるようになってしまったそうです。
ある日のこと、夜中にトイレに起きると、家の中を何者かがモゾモゾ
と這いずり回っている気配がしたそうです。明かりをつけても何も
存在していない、そんな奇妙な出来事が何日か続いたというのです。
彼の特別な欲求については、SNSで発信もしていないし、それにほぼ
引きこもり状態だったので、家族や誰かに話したりはしていません。
誰かのいたずらや嫌がらせでもなさそうです。
すると、血みどろの凄惨な事故現場に居合わせる夢を、毎晩見るように
なっていました。
しかも、瀕死の被害者が助けを求めてきたり、腕や足が千切れている
状態で這いずり近づき、なぜ助けてくれなかったのかと訴え、睨み
つけられるシーンばかりだというのです。
恐ろしくて目を覚ますと、その被害者が白装束で座っていて、ずっと
こっちを見ている。
ただ黙って、ずっとこっちを見ている。


























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。