ほっと一息ついて、兄に礼を言うと兄は不思議そうな顔をしていました。
二人で前を行く父母に追いつこうと気を取り直して歩き始めると、観光を終えたカップルがこちらに向かって歩いてきました。
道を譲りながら、私は気づきました。さっきまで前方の岬には誰も居なかったことを。
それに気づき、足ががくがく震える思いでした。
すれ違いざまにカップルの女性の方が私の左耳に囁きました。
「もう少しで一緒にいけたのに…」
すれ違ったあと、私は怖くて振り向くことができず父母のところへ駆け寄っていったことを覚えています。
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