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心霊

レンジャーさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

自衛隊の怖い話 詰め合わせ
長編 2021/10/17 07:30 4,872view

それ以来、その先輩はなるべく駐屯地内の巡回ではなく別の業務をさせてもらうようになり、駐屯地内の巡回をやらされる時は墓地隣接エリアをダッシュで通過するようになった。

「倉庫の音」
駐屯地内には隊舎以外にも車両や物品を保管する倉庫があり、律儀に全ての倉庫を巡回するわけではないが巡回の時には倉庫も確認したりする。

部隊の先輩Cがまだペーペーだった時の話しだが、駐屯地内の巡回を深夜にしていたときシャッターのある倉庫にライトを照らすと倉庫の窓に人影が見えた。
倉庫を施錠する鍵は担当部隊が保管してるので開けることはできないが、念のため倉庫に人が居ないか確認をすると倉庫の扉も窓もシャッターも施錠されていた。
窓越しから中に人は居ないかライトを照らして確認してみると、扉の横にあるシャッターが突然バアンッと内側から叩かれたように響いた。
『誰か』と声を掛けたが反応はなく、無線で上官に倉庫で物音がすると報告すると、『その倉庫は気にせず無視していい』と言われた。

後々聞くとその倉庫は、時たま深夜に物音がするお化け倉庫だそうで他の隊員でも怪奇現象に遭遇したことがあるとのこと。
ちなみに私も巡回で深夜にその倉庫から人影が見えたので確認したことがあるが、本当に人が居てお互いビックリしたことはある。

「駐屯地内の角の石柱」
私が初めて警備について巡回したとき、付き添いの先輩Dが教えてくれた噂話。

駐屯地内のある角に、建築現場で見たことがある長方形の小さな石柱がちょこんと地面に刺さっている。
先輩がそれを指さして『あそこは昔、母親と子供の霊が出た』と教えてくれた。
なんでも深夜に巡回でそこを回るとボロボロの服を着た親子が『水をください』と言ってくるのだそうだ。

おそらく大戦中に空襲にあった親子の霊なのではないかとのこと。
ただ、駐屯地があるところが空襲にあった史実はないのでどんな霊なのかは謎だが、石柱を刺してから出なくなったようだ。

以上が直接体験した先輩方の話しだが他にも演習で山にこもっていた時女性の声が聞こえたとか、誰も居ない営内で足音がするなど噂話はチラホラある。
ただ、私自身怖いなと思ったのは入隊中駐屯地で毎年誰かが自殺することだった。

自衛隊に入隊する人の多くは真面目で責任感があるのだが、それゆえに辛く逃げ場のない状況に自らハマってしまう傾向があり、真面目な人ほど自殺するように見受けられた。

私の同期に若く優秀で真面目なヤツが居たが、私が辞めてから2,3年後にその同期が自殺したと聞かされた時はショックだった。

当時と今では自衛隊も色々と変化があると思うが、怪奇現象が出ても自殺者が出ないことを祈るのみである。

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コメント(1)
  • 可愛い話ばっかで和む

    2021/11/25/00:20

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