魔女のような不気味な甲高い声
投稿者:水棲 (1)
私が小学生の頃に体験した不思議なお話です。
私の実家はそこそこの田舎で、おばあちゃんの家と父・母・姉・私の4人の家の2棟が同じ敷地内に建っていました。
食事の時には、おばあちゃんの家に集まってご飯を食べるスタイルで、
一度、靴を履いて離れの家に呼びに来るのが面倒なのか、いつもご飯が出来ると、「ご飯できたよー」と内線で電話がかかってきます。
いつものように、返事をする為に電話に出た時です、私の体は一瞬で固まりました。
なんと電話から聞こえてきたのは、聞いたこともない魔女のような不気味な甲高い笑い声でした。
その瞬間、一気に血の気が引くのがわかりました。
「おばあちゃんじゃない!!!」「確かに電話が鳴った時、内線のランプが光っていた・・・」
私は、怖くなり何も言葉を発する事もできずに電話を切ってしまいました。
冬の朝方の薄暗さも相まって、恐怖が増していきます。
一目散におばあちゃんの家に駆けこみ、靴を脱ぎ捨て台所へ向かいました。
台所に着くとおばあちゃんは朝ごはんの用意をしているところでした。
おばあちゃんは「おはよう!早いね、そろそろ電話しようと思ってたところだよ」と言いました。
高鳴る鼓動と呼吸を落ち着かせ、勇気を振り絞って聞きました。
「さっき、電話した?」
「してないよ。」
当たり前です。「そろそろ電話しようと思ってた」なんて言ってたんですから。一番返ってきてほしくない返答でした。
電話機の近くには、テレビや音の出るものはない。
おばあちゃんは、いたずらやふざけたりする事のない穏やかな性格です。
私はそれ以上なにも言えませんでした。
あれは、なんだったのでしょう。あの時、電話をすぐに切っていなかったら私は・・・
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