不可思議なことが起きたバンガロー
投稿者:LZQP (1)
学生時代に友人ら四人でバンガロー宿泊で旅行に行きました。
昼間にテニスをしたりして一通り遊んだ後、バンガローに入りました。両サイドに二段ベッドがある簡素な部屋です。
真ん中には天井から蝿取り紙が4つほど下がっています。蚊の対策でしょう。
夜になり用意してきた酒を出して宴会をはじめました。気の合う仲間四人でのおしゃべりなので楽しく盛り上がりました。
夜中になって外のトイレに行って用を足して戻ってくると私は部屋の異変に気づきました。
「あれ、おかしくないか?」わたしは指を指します。
私の声掛けで3人は上を見上げると気づいた模様です。ぶら下がっていた蝿取り紙が全て天井に貼り付いていたのです。
「どうしたんだ?」みんな、思い思いにしゃべります。
「風が吹いてひっついんたんじゃない?」一人が言いました。
しかし紙が天井に引っ付くほど強い風は誰も感じてませんし、何より四本の蝿取り紙が全てバラバラの方向に引っ付いているのであり得ませんでした。誰もが正解が思い付かない状況になり、いつしか重苦しいムードでみんな黙ってしまいました。
「もう、寝ようか?」一人が声掛けするとみんなは同意して変な気分が残ったまま就寝しました。翌朝まで何事もなく眠れて、目が覚めると全員で支度をしてバンガローを出て家路につきました。
休み明けに学食で四人が集まりました。「写真、焼いてきたよ」使い捨てカメラを持っていった一人が旅行の写真を持ってきたのです。みんなで写真を見ながら思い出話に花を咲かせて盛り上がりました。蝿取り紙の事はすっかり忘れてます。
「あ、この写真、すごくよくないか?」と出してきたその写真はみんながカメラを気にする事なく自然な感じで談笑している、とてもいい感じの写真でした。本当だ。と私達も同意して、何の話してた時だ?など盛り上がります。
その時、写真を見るなり表情を強ばらせていた一人がポツリと呟きました。「でもこの写真、誰が撮ったの?」写真には四人全員が写っています。使い捨てカメラなのでタイマー機能などは当然ありません。私達はみんな、声を失いました。
蝿取り紙といい、写真といい非常に不可思議な事が起きた旅行でした。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。