命の引き換えと感じた不思議な話

もう１０年以上前の話になります。

友人と近くの海に遊びに行った時のことでした。
少し酔っていた方がいて、話しかけられたので会話を交わしました。その方は前日から浜でキャンプを一人でしていると言っており、これから海に入ると言っていました。お酒も軽く入っていたようだったので心配していたのですが、しばらくして、その人がおぼれている、むしろ浮いているのを発見しました。すぐに陸に挙げて人口呼吸をしたのですが、息を吹き返すことなく結局、救急隊に引き渡しました。その後、危篤状況が続きますが一時的に息を吹き返したようです。

一方、その時期、姉が妊娠中で出産まじかだったのですがあまり子供の状況がよくないことを医者から言われていました。
おぼれている人を助けてから３日後、なんとか姉は子供を出産しました。ただ、子どもがあまり呼吸が強くなく、この数日間が赤ちゃんが生きられるかどうかの危険な状況ですという話でした。

姉はかなり辛そうで心配で出産後なのにゆっくり休むこともできない状況で泣いていました。そんなとき、こんな姉の状況でもあったので数日前におぼれていた人を助けたこともすっかり忘れていたのですが、３日ほどたって亡くなったことを知りました。結局は幸いなことに姉の子はその後元気になり、偶然だったかもしれませんが生と死をまじかで見たことで、家族たちからはあれは実は助けた人が身代わりになってくれたのかもしれないと強い思いが残りました。

今でも家族が集まると亡くなった人のご冥福を祈っています。