大人ばかりの集まりではないので、話す怪談もある程度は吟味されているようだ。
格別怖いという話はなかったが、それでもシチュエーションの良さもあり十分雰囲気は満喫できて楽しめた。
だいたい皆保護者同伴なので急き立てられるように帰らされる訳ではない。
中には池の鯉を見てる子らもいたし、我々も外の自動販売機が連なる休憩スペースで一息入れていた。
「セブンティーンアイス買ってあげるよ」
「セブンティーンじゃなく、帰りにセブンで買って。セブンティーンアイスって値段のわりにはアレでしょ?」
確かにここで買えるというのが最大の価値なのだ。
代わりにネクターを買ってあげた。
私は帰ったら軽く晩酌したいのでアイスティーにした。
しばらく怪談の感想などを話していると、ふくよかな五十代くらいの女性が現れた。
さっきも怪談を語っていたから民話会の方だろう。
「楽しんでもらえましたか?」
なんとも人当たりの良い柔らかな言い方で尋ねられた。
どうやら茉菜のことは知っているらしい。
いちおう町にある温泉宿の娘なのだ。
「怪談は雰囲気を楽しむものでもあるので、十分楽しませてもらいました。また来年も来たいですね」
「ええ、ぜひいらしてください!」
「そういえば去年話してくれた若い人はいなかったですね…」
茉菜がふと思いついたように尋ねた。
「ああ、彼ね…彼は元々民話会のメンバーの知り合いで、言ってみればゲスト参戦だったのね。だから今年はこなかったの…それにね…」
民話会の女性が声を落とした。
「彼の話はちょっと怖すぎて…小さな子もいるからあんまり評判が良くなかったの…」
「確かに!私も去年一番怖かった!…でも一ヶ所笑っちゃったけど…」
妙にひかれる事を茉菜が言うではないか…
私までその話が聞きたくなった。
来年の再会を約束して民話会の女性と別れると我々はとぼとぼセブンイレブンに向かった…
「ねえ、さっきの話だけど、去年聞いたその話聞かせてよ…」
「ああ、あれ…でも私が話してもあんまり怖くないかもしれないよ…」
「それでもかまわないから…」

























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。