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心霊

カラカラさんさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

無邪気と廃墟
長編 2026/10/30 16:08 235view

そう言うと、女性はまるで自分の子供を見ているような優しい顔で、私を眺めていました。

「そう。よかったねえ」

女性は向かい側に座り、湯呑みを両手で包みました。

「ねえ、ぼく。お名前は?」

私は何の疑いもなく、自分の名前を答えました。

「そう。いい名前ねえ」

「おばさんは?」

そう聞いた時、肩を強く握られました。

「おい!何やってんだよ」

外で待っている友達でした。

友達は土足で上がり込んでいました。

「お前こそ何やってんだよ!靴脱げよ!」

「お前ここ廃墟だぞ」

「え、、、」

さっきまで綺麗に整頓された家は床が抜け落ちそうに腐っており、ネズミの糞があちこちに錯乱していました。
甘い匂いだったのは糞尿とカビ臭い匂いに満ちていました。

オェ、、、

口からカビをおびた泥のようなものが出ました。

さっきまで口いっぱいにバターの甘い香りが広がっていたのに生ゴミのような匂いがします。

「とにかく帰るぞ!」

友達に強く引かれ、立ち上がった時、奥から聞こえました。

「もう帰るの?」

そして女性とは別の何かの声も

「アソボ」

女の子の声でした。

けれど低く、喉の奥に泥でも詰まっているような、濁った声。

友達は私の腕を掴んだまま、玄関へ向かって引きずるように歩きました。

「振り返るな。絶対に振り返るなよ」

そう言われました。

私は何が何だかわからず、ただ友達に引っ張られるまま、腐った床を踏まないように歩きました。

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