※これは私の実話です
私が小学五年生のときに変わった理科の授業があった。
それは、学校の敷地内で虫の死骸を見つけて観察するというものだった。
小学校の近辺には森があり、池があり、生態系豊かなためにこの課題が設定されたのだろう。
そんなわけで、仲良しの子たちでペアを組んで虫探しに行くことになった。
女子は「いやだー」と顔をしかめつつ、男子は得意分野とばかりに上機嫌で。
私も草地や石の裏を探してみたが、死骸のほとんどは損壊が激しく観察できない代物であるか、すでに別の子たちが回収ずみだった。
私とペアの子も虫の死骸を見つけるのに苦労し、「これじゃあ記録が書けない」とあせっていた。
そんなとき、私は草地に立派なバッタが飛んでいるのが見えた。
青々とした体に、長くしなやかな四肢。みんなが干からびたミミズやらダンゴムシの記録を書く中で、一線を画す素材だ。
(そうだ! 死骸が見つからないなら作ればいいんだ!)
私はペアの子に「池の近くを探しに行ってくれる?」とたのみ、離れてもらった。
バッタを殺す光景を見せるのは、この子にはショッキングすぎると思ったのだ。
そして私はさっき見かけたバッタを探した。草をかき分けて、目をこらす。
大きい個体は目立つのですぐに見つけられた。
(ごめんね。授業が終わったら、お墓をつくってあげるからね)
私はスコップの先端をバッタの頭に振り下ろした。二、三回ほどでブチリと神経を潰す手ごたえが伝わり、バッタの長い四肢は動かなくなった。
そんなとき、男子の声が私の耳にとどいた。
「うわ、虫殺してる」
クラスのリーダー格のIだ。
たまたま通りがかったIが、一部始終を見てしまったのだった。彼とペアのKもいる。
「先生! ××さんが虫殺してます!」
Kの大声を聞いて駆け付けた先生は、こまった顔をした。半ば笑っていたと思う。
「××がまじめなのはわかるけど、ここまでしなくていいよ。虫は他の班におすそわけしてもらいなさい」
「はい……」
結局、私は別の子からアリの死骸を分けてもらい、ペアの子のもとに行った。
幸いなことにその後、私たちがまとめたアリの観察記録は高い評価をもらった。

























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