それくらいだったそうです。それが幽霊なのかどうかも分からない。
そして、問題のロープの映像をS君にも見てもらった。
するとS君は、
「幽霊がロープにぶつかる感じで通り過ぎたんだと思う」
そう言ったそうです。
ただし。それでも一つだけ、どうしても分からないことが残りました。
なぜ――右側のカメラに映ったロープだけが、揺れたのか。
風なら、周囲の木々も揺れるはずです。左側のカメラにも何らかの変化が映っていい。正面から撮ったカメラにも何かしらの動きが残っていい。
けれど、映像の中で動いていたのは、右側のカメラに映っていたロープだけ。
その後も木村さんたちは、サークル活動でいろいろな心霊スポットへ行き、撮影を続けたそうです。
ラップ音。はっきりしない人影。何かが映り込んだような映像。そういうものは、何度かあった。
けれど。木村さんは最後に、こう言っていました。
「ここまでハッキリした現象が撮れたのは、あれが一番でしたよ」
そう言ってから、少し考えるようにして、こう付け加えました。
「……ただ、あのロープって、本当に何だったんでしょうね」
僕には、その言葉が妙に印象に残りました。
なぜなら。
木村さんたちが見つけたのは、ただの虎ロープだったのかもしれません。誰かが作業に使って、そのまま放置したものだったのかもしれない。誰かのいたずらだったのかもしれない。
あるいは――本当に、何かがそこに残っていたのかもしれません。
結局、それを確かめることはできなかったそうです。
ただ一つだけ確かなのは。
朝、木村さんたちが見つけたとき。そのロープには、何の異常もなかった。
そして夜。
誰も触れていないはずの場所で――そのロープだけが、まるで何かに弾かれたように、揺れた。
ということです。























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