隣人はキ○ガイ

「ぐげ、ぐえ、ぐげ、ぐえーーー」

「だから今日はそのお礼をしようと思って」

この言葉を言い終わると彼は手綱を一層高く持ち上げた

「ごげえええええええ」

ものすごいおおきなげっぷのような音を発した後、彼の息子は苦しそうに痙攣して気を失った。

「やっぱり子供の前だとあれですしね」
「女の子がいいですよね？」

ようやく私の口から言葉にならない言葉が出た

「ぎゃああああああああああああ」

「うるさいですよ？」

町内会長のその言葉を最後に私の顔面にものすごい衝撃が走り私は気を失った。

気がつくと私は病院のベッドの上にいた

夫は私が意識を取り戻したことに気づくと涙を流しながら

「ごめんなーごめんなー」

と私に謝っていた。

混乱していて訳がわからなかった私に後日、夫が説明してくれた。

あの日、私が殴られた直後に警察が来て町内会長は暴行の現行犯で捕まったそうだ。

通報してくれたのはなんと隣に住んでいたあのおばあちゃんだった。

息子の首に手綱をつけて私の家のインターフォンを鳴らしている彼を見かけすぐに通報してくれたそうだ。

あとでわかったことだが植木鉢もそしてもちろんあのうんこもおばあちゃんの仕業ではなかったそうだ

おばあちゃんは昔彼ともめた際に犬を殺されたことがあり（証拠はなく事件にもならなかったがおばあちゃんには確信があったらしい）

恐ろしくて彼に何も言えなかったそうだ

引っ越して来た私たちが彼とよく話していたため、できるだけ関わりあいたくなかったそうであんな態度だったようだ。

その後彼の家に捜査が入り、家や庭から大量の動物の骨や他の事件に関与する証拠が見つかり懲役８年となったらしい

私のことを亡くなった前妻の生まれ変わりと証言していたらしく私は事件の後遺症で PTSDになった。

買ったばかりの家はすぐに売り払い私の実家の近くに引っ越した

夫も仕事を辞めて私の地元で再就職して働いてくれている

結婚１０年目の記念と過去の清算という意味で書いてみました。