「大丈夫です」
「妹はその時、誰かと一緒でしたか?」
「いえ、一人だったと思います」
「ありがとうございます。近くに駅はありましたか?」
「駅前のコンビニです」
「何時頃だったか覚えていますか?警察に伝えるため、できるだけ正確に知りたくて」
警察に伝えるため、と言われると、答えない方が悪い気がした。
その後数回のやり取りをして、相手から次のように返ってきた。
「おそらく妹で間違いないと思います。本当にありがとうございます。あなたみたいな人がいてくれて救われました」
良かった。
その返信を見た瞬間、私は救われたような気分になった。
今日初めて、自分が間違えなかった気がした。
「こちらこそ、お役に立てて良かったです。」
返信をして、布団に潜り込む。
私の送った言葉が、誰かの役に立った。
その日はいつもよりいい気分で寝ることが出来た。
朝起きると、SNSに見覚えのないDMが来ていた。
「お願いです」
「あの人に、私のことを教えましたか」
見知らぬアカウントだ。
それに、深夜に連続で送信されている。
スパムか何かだと思って返信しなかったが、何か嫌な予感がした。
休憩時間にスマホを見ていると、あるニュースが目に入った。
「○○県××市付近で女性刺殺、以前からストーカー被害か」
ニュースに映っていた写真は、コンビニであった女の人だった。
意味が分かったのは、数秒遅れてからだった。
その間に、私は息の仕方を忘れていた。
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