ずっと、同じ場所を見ている。
そして呟く。
「動いた」
研究者の一人が、耐えきれず規則を破った。
映像を確認した。
そこには――
**誰もいない部屋で、“カメラに背を向けて立っている何か”**が映っていた。
人の形。
でも、頭の向きがおかしい。
完全に後ろを向いているのに、
“顔だけ”がカメラを見ている。
研究者はパニックになり、すぐに画面を閉じた。
だが、その瞬間。
スピーカーから、被験者の声ではない音が流れた。
「見たね」
全員が凍りつく。
その直後、施設のすべてのモニターが勝手に点灯した。
映っていたのは、同じ映像。
あの“何か”。
今度は、ゆっくりとカメラに近づいてくる。
画面いっぱいに、顔が映る。
目が合った。
――そのとき、研究記録は途切れている。
ただし、最後に残された一文がある。
「この映像を読んでいるあなたも、“観測者”です」
気づいているだろうか。
さっきから、あなたの視線は――
ずっと“画面の向こう側”から見返されていることに。
前のページ
2/2
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 0票
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。