これは、ある研究施設で行われた実験の記録だ。
内容は単純。
「人は、“見られていないとき”にどうなるか」を調べる。
被験者は一人。
完全防音・監視カメラ付きの部屋に入れられる。
ただし、条件がひとつだけあった。
「カメラの映像は、誰も見ない」
録画はするが、リアルタイムでは絶対に確認しない。
研究者は、外から音声だけで様子を聞く。
実験開始から数時間。
被験者は普通に過ごしていた。
独り言を言い、歩き回り、眠る。
異常はなかった。
だが、3日目の夜。
被験者が突然、こう言った。
「ねえ、なんで見てるの?」
研究者たちは顔を見合わせた。
誰も映像は見ていない。
音声だけだ。
スピーカー越しに確認する。
「誰も見ていません。安心してください」
数秒の沈黙。
そして、被験者は小さく笑った。
「ああ、そっか。“人間は”見てないんだ」
空気が凍った。
その後、被験者は部屋の隅をじっと見つめ始めた。
カメラの死角。
そこに、何かがいるように。
4日目。
被験者は一睡もしていなかった。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 0票


























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。