年に数回家が氷の館になる
投稿者:yumy (19)
私は幼い頃から人が見えないものが見えたり、人が感じたりすることがないようなものを感じたりするような、変わった人生を送っていました。そのため、恐い体験もしてきましたし、不思議な体験もしてきたのですが、そのなかでも今でも不思議で恐ろしいのが幼少期、小学生の高学年になるまで続いていたある現象です。
それは、家が変わって見えるというような現象であり、それは年に数回、ふとしたときに起こっていました。初めてその光景を見たときのことははっきりと覚えていません。思い出すことができないほど、小さな頃からその現象に悩まされていたからだと思います。
その現象が起こるのは決まって深夜でした。家族4人で同じ部屋に寝ていたのですが、みんなが寝ているときに目を覚ますと、あたり一面が氷で覆われているような状態になっているのです。寒いという感覚は全くないのですが、それが氷ということは分かっていました。
キラキラと光っていて夏でも冬でも関係なく壁も天井も床も家具も氷に覆われている不思議な世界。遊園地などにある氷の部屋をイメージすると分かりやすいかもしれませんが、南極の氷上の上にいるといった感じです。
その光景が見えると、恐怖に押しつぶされたような状態になり、再び眠ることなんて到底できませんでした。朝まで眠ろうと努力するものの眠れずに、氷の世界に取り残されているのです。家族は何も知らずに寝ているのが、更に恐怖で、幼いながらにこれは自分にしか見えないのだと、恐いけれど親を起こすということもできませんでした。
氷の現象は、夜が明けるのを合わせるように徐々に徐々に薄くなっていき、セットされた目覚まし時計がなる頃には消えています。蜃気楼が消えていくようなそんな感じです。この氷の世界も恐かったのですが、もっと怖かったのがこの氷の世界に入り込む日というのは必ず眠る前に正体不明の不安感に押しつぶされそうになってしまい、周囲のものが大きく見えるのです。
家族の顔が異様に大きく見えたり、通常の状態ではない大きさに変化をし、その恐怖に怯えながら眠った日は必ず家が氷の館になっているのです。この異様に大きく見える現象は幼少期に起こる不思議の国のアリス症候群というものであることが最近分かり、それなら氷の家になるのもなにか説明がつくのではないかと調べましたが、それはどれだけ探しても答えは見つかりませんでした。
あの氷の館になる現象は何だったのでしょうか。今でも思い出すと、幼少期の自分が良く耐えたなと思わずにはいられません。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。