「それって、まさか…」
「うん、今やうちだけでなくて国ぐるみでこの淵を守ってる。この国にはそういった非公式の保護区域がいくつかあるらしいんやけど、ここもその一ついう訳や。とは言うても、あんたの言う通り隠蔽に変わりはない。いくら奴らが貴重な存在や言うても人が亡くなったんや。ご遺族にもあんたにも申し訳なく思う。防人として、ほんまに申し訳ない。お詫びする事しかできひん。」
ただ、と遠藤は言葉を続ける。
「増えすぎた人間と、絶滅しかけている種族を天秤にかけた時にどちらが傾くのか、答えなんてないに決まってる。でも、俺はあの時彼を助けようとしたんや。せやけど手遅れで救えなかった。これは事実なんや。それはわかってほしい。」
雨がいつの間にか止み、上空から日が差している。
淵の方からはジャッ、ジャッと独特な鳴き声が響き渡っていた。
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