「そして——全員、笑ってた。」
「私、叫びました。ドアを蹴破って、外に出ました。転びながら、車まで走って。エンジンかけて、逃げました。」
「30分くらい走って、ようやく止まりました。それで、カメラを確認したんです。」
(彼の声が、ほとんど聞こえないくらい小さくなる)
「写真——テーブルの写真。確認しました。」
「テーブルは写ってました。食器も。でも——食器の後ろ、ピントが合ってない場所に——5人の人影が写ってたんです。」
「ボケてるから、はっきりしない。でも、確かに、人の形。そして——全員、カメラを見てる。」
「私、そのデータ、削除しました。すぐに。でも——」
「今でも、夢に出るんです。あの5人。あの笑顔。そして——彼らが、私に何かを伝えようとしてる気がして。」
「でも、私——聞きたくないんです。」
私は後日、その廃村の場所を特定しようとした。しかし、鈴木は頑なに拒否した。
「あなたも行ったら——戻ってこれなくなる」と、彼は言った。
私は、それ以上追求しなかった。なぜなら、彼の目が——本気で怯えていたからだ。
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