体長1メートル82センチ、体重208キロ。
眉間の弾孔が、佐藤氏の精密射撃を物語っていた。
子連れの兆候はなく、単独のオスだったらしい。
匂いに誘われ、市街地近くまで下りてきたのだろう。
俺たち第3中隊第1小隊は、任務を完遂し、連隊本部へ帰還した。
高機動車の中で、武田と畠山はまだ興奮冷めやらぬ様子で、
「あの木銃、折れるなんて……次は鉄パイプ持たせてくれよ」
と、冗談めかして笑っていた。
俺は左腕の痺れをさすりながら、黙って頷いた。
盾の残骸は、連隊の倉庫に「戦利品」として飾られることになった。
ひび割れたポリカーボネートに、熊の爪痕がくっきり残っている。
連隊長の佐々木一佐は、報告書を読みながら俺たちを呼び出した。
「中村二曹、武田三曹、畠山三曹。
君たちの行動は、自衛隊法の枠内で最大限の勇気だった。
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