私の名前は佐藤遥です。一人旅が好きでした。
都会の喧騒から離れ、
知らない土地を巡る時間が私にとっての解放だったのです。
この日も、仕事の休暇を利用して、田舎町を訪れていました。
地図に載っていないような小さな集落や、寂れた駅舎を眺めるのが好きで、
特に計画を立てず、気の向くままに電車に揺られるのが私の旅のスタイルでした。
その日は、夕暮れが迫る頃に小さな無人駅にたどり着きました。
駅名は「萱野」です。
古びた木製の看板にひらがなで書かれた文字が、風に揺れて
かすかに軋む音を立てていました。
ホームには私以外誰もおらず、遠くで鳴く鳥の声だけが響いていたのです。
時刻表を見ると、次の電車はあと10分ほどで来るらしいです。
一両編成の小さな電車が、この田舎を走っているのでしょう。
やがて、遠くからゴトゴトという音が聞こえてきました。
電車が来たのです。
赤と白の塗装が剥げかけた一両編成の車両が、
ゆっくりとホームに滑り込んできました。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 2票























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。