ただ一目見て普通の人間ではないことが分かった。
まず目が異様に大きい。
顔面の三分の一近い大きさがあり、その目は黒のクレヨンで塗りつぶしたかのように真っ黒だ。
だらしなく開けられた口も目と同様に内部が深い黒に染まっている。
時計を見るとちょうど15時。
これが「変な人」?変どころの話ではない。
そもそもこれは生きている人ではないだろう。何か嫌な予感がした。
私は半ば本能のままに目線を逸らし、努めてその男に気づかないふりをすることにした。
ピンポーン
またインターホンが鳴る。
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
インターホンの間隔が短くなる。
あー
あー
あー
声がする。私はひたすらマシントレーニングを続け気にしないことにする。
あー
あー
ピンポーン
ピンポーン
あー
あー
ピンポーン
あー
ピンポーン
しばらくすると居なくなると言っていたはず。私はとにかく無視を続けた。
どれくらい時間が経ったのか分からない。
気がつくと声もインターホンも聞こえなくなっていた。私は恐る恐る入口に視線を移す。
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