名前を呼ぶ声
投稿者:シーシャ (3)
これは僕が中学二年生の時の話です。
我が家では家族5人で川の字になって寝ていたのですが、布団が3枚しかなく狭かったこともあり、僕だけ自室にロフトベットを設営することになりました。
数日経ち、無事にロフトベットが届いて設営が完了しました。僕はその日から一人で眠ることになりました。
最初は暗闇が怖く、常夜灯にしてゲームをしたりしていましたが、段々と眠気が勝り、僕の意識は遠のいていきます。
そんな中、部屋の外から「としちゃーん」という声が聞こえてきました。
僕の名前は「としき(仮名)」といいます。家族の誰かが心配して、ちゃんと寝られているのか確認しに来たのだとその時は思いました。
特に返事をする必要もないと思い、僕は再び寝ようとするのですが、いつまでたっても僕を呼ぶ声は止まりません。
おかしいと思い、「寝れるから大丈夫」と返事をしたのですが、それでも止まらず、怖くなって僕は部屋の扉を開けました。しかし誰もおらず、僕は走って家族の寝る寝室に行きました。
母に自分を呼ぶ声がすることを伝え、自室に招くと、その声は母にも聞こえました。
呼び声の出所を探ると、マンションの前にある家から聞こえていました。どうやら、その家のおばあさんが誰かを呼んでいるようで、開いている窓から姿も確認できました。
その日は一応警察に連絡し、特に警察としてもできることがないことを言われ、あまりにひどいようならまた電話するように言われました。
たまたま呼ばれている人が自分の名前に近いこともあって怖かったので、結局それからは家族と一緒に眠ることになりました。
しばらくして、母からおばあさんが亡くなったという話を聞き、僕はまた自室で眠ることにしました。
しかし、またしても「としちゃーん」という声が聞こえてきます。
僕はため息をつきながら母を部屋に呼び、「亡くなってないじゃん」と笑いかけました。
母は、首をかしげながら言いました。
「私には聞こえない」
おもしろかった!
怖い