怖い話をネットに投稿するのは、人生でこれが二度目です。
一度目は十数年前。
当時学生だった私は、某掲示板の「怖い話を集めるスレッド」に、自分の体験を投稿しました。
──心霊スポットに行き、怪奇現象に遭遇。
そのあと身の回りでおかしなことが起きはじめ、親族や近しい人に不幸が相次ぎ、
最後には、意味のわからない予言めいた“遺書”を見ることになる──
そんな内容を、体験したまま、誇張なく書いたつもりでした。
当時の私は、なかばパニック状態で、
推敲もせず、勢いのまま文字を打ち込んでいました。
だからなのでしょう、投稿はスレッド内で散々に叩かれました。
「意味がわからない」
「支離滅裂」
「釣りにしても下手すぎる」
──今でも、その言葉のいくつかは覚えています。
正直、傷つきました。
誰にも相談できないまま、投稿なんてバカなことをしたと、
私はその“体験”ごと、記憶の隅に追いやることにしたんです。
でも、時間が経てば、逆に気になってきてしまって。
「今でも、あの話は残っているんだろうか?」
「誰かが見つけて、どこかに転載してたりしないか?」──
十数年ぶりに、そのスレッドのログを保存している有志のサイトを見つけて、
自分の書き込みを探し始めました。
なにしろ、あのときタイトルもつけずに投稿してしまったので……
見つけるのには本当に苦労しました。
仕事から帰って、夜にひとつひとつ読んで、確かめて、寝不足になる日が続きました。
──そして、やっと見つけました。
投稿内容は、記憶通り、ひどいものでした。
文体もバラバラ、誤字も多く、読んでいて顔が熱くなるほど。
けれど、読み進めて自分の周りで起き始めた不幸について触れるパートで、強烈な違和感にぶつかりました。






















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