その後は特に変わった出来事もなく、安心していた。手帳も見ることをやめ、棚の奥の方に整理した。
しかし、ある日の夜、帰宅した私はダイニングにいる妻に向かって、
「ねぇー!ばぁーちゃん!ご飯ある?」と叫んでしまった。
無意識のうちに祖母に向かって言っていた言葉を妻に言ってしまっていた。
「えっ?なんで?えっ?」
混乱していたが、近くにいた子供、ダイニングにいる妻は何の反応もなくまるで聞こえていない様子だった。
祖母のことを考え過ぎて、無意識のうちに昔みたいに言ってしまったのかなと思い深く考えないことにした。
翌日、再び1階から祖母が私を起こす声が聞こえてきた。
「ゆうー!ゆうー!起きてよー!」
「まただ!なんなんだこれ!でも、またしばらくすると聞こえてこなくなるはずだ!」
そう思い、やり過ごすことにした。
しかし、5分、10分も時間が経ったが一向にやめようしない。
いい加減、うるさく感じてきたので、
「うるさいなー!もう、やめろー!起きてるーー」と思わず叫んでしまった。
すると、1階からの声は止んだ。
ホッとした私は一息吐くと、耳元で、
「聞こえてるなら返事して。」
「人のものを勝手にみないで。」
と低い声が囁いてきた。しかし、祖母の声ではなかった。
いや、祖母の声と思いたくないのかもしれない。
「ばぁちゃんじゃない。ばぁちゃんじゃない。」と何度も呟いた。
「ごめんな。ごめんな。もう、見ないから。」と言いながら落ちるように寝てしまった。
その後、変な現象は起きていない。
しかし、昼間、家に1人でいる時、手帳に色々なことを書いていた時の祖母の心境を考えると怖いような切ないような、なんとも言えない複雑な気持ちになる。
また私に注意を促すために1階から叫ぶ声が聞こえてきそうで少し怖い。
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。