『 い、こうよ、』
『 いこ うよ』
『 いこ』
『 いこいこいこいこ』
『 いこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこいこ』
壊れた機械のようにそう発しながらこちらにゆっくりと歩いてくる。だんだんと口角があがり、笑ったような顔になるそいつ。先輩はパニックが勝ち、完全に気が動転して、
『 いかねえよ!!さっさと消えてくれ!!』と叫ぶ。
しかしそいつは何も介してないように歩みを止めない。
『 俺が悪かった!許してくれ!頼む!』
『 行かない!来るな!やめろ!消えてくれ!!』
先輩の目の前までもう来ている。その時、玄関の扉がどんどん!と叩かれた。
『 大丈夫ですか?!』
次の瞬間、何故か先輩は窓辺に立って窓に手をかけていたようだ。あいつは消えていた。助かった。そう思って、玄関に向かい、扉を開けると隣人が立っていた。聞くと、30分ほど前から窓をフル開閉する音と、先輩の奇声がずっと聞こえていたようで、初めはうるさいなと腹を立てていた隣人も異常すぎる様子に心配になって見に来たとのこと。
『 なんと説明していいか、、、とにかくすみませんでした。』
『 大丈夫なら良かったです。ところで。』
『 う み に い こ う よ』
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( ゚д゚)