サッサッサッ
と芝生を踏む音が聞こえたので後ろを振り向き、スマホのライトを照らしたが誰もいない。しかし、音はしている。
サッサッサッ
少しずつ音がハッキリ聞こえてくる。こちらに近づいてきているかのように。
周りをライトで照らしながら見渡しても誰もいない。うっすら霧がかかっているので余計に見えづらさを感じた。
「気味悪いな…早く、戻ろう。」
トイレのことなどすっかり忘れ、テントに向かって走り出した。
しかし、走っても走ってもテントが見つからない。
「は?こっちから来ただろ!意味わかんねー!」とパニックになりながらもテントを探した。
「おーい!ゆう!けんごー!」
友人達の名を叫びながら歩いたが見つからない。
ザッザッザッザッ
後ろから何者かが走ってくる音がした。
霧の中から微かに何者かがこっちに走ってくるのが見えた。
瞬時に友人達ではないと確信した。
雰囲気?気配?なんとも言い表せないが友人達ではないというのだけは感じ取れた。
私は咄嗟に走り、逃げた。
後ろからの気配は1人ではないように感じた。
後ろを振り向くと5、6人でこっちに向かってきている音、気配がした。
私は逃げるしかなかった。
すると、目の前に探していたトイレを見つけ、中に入り身を潜めることに。
男子トイレでもなく、女子トイレでもない、誰でも利用できるトイレに咄嗟に駆け込んだ。
鍵を閉め、息を潜めていると、数人の足音がトイレ内に入って行った。
男子トイレを探し、女子トイレまで探し始めた。
「マジかよ。やばいな…」
次はここだと思い、女子トイレ内を物色している最中に外に飛び出すことに。
鍵を開け、勢いよく外に飛び出すと目の前に1人立っていた。
その瞬間、ニヤリと笑ったように一瞬見えた。
ここで立ち止まるとマズいと思い、なんとか振り切り走り出した。
しかし、追ってこない。
トイレが見えなくなるまで走って、立ち止まり、膝に手をつき安堵していた。
「なんだったんだ。一体。」
息を整え、歩き出そうとした瞬間、目の前に数人の人影が現れた。
ヤバいと思い走り出した瞬間、段差のようなものに足をとられ倒れた。すぐに人影が近づき、肩を触られた瞬間私は気を失った。
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