目を開けると、そこには何もなかった。
ただ一行の文字が浮かんでいた。
『エラー:データが破損しました』
その文字が少しずつ消えていくと、代わりに真っ黒な影が俺を包み込んでいく。
「お前は、もう存在しない」
その声が俺の耳に響く。
俺の体が薄くなり、透けていく。痛みも、恐怖も、もう感じない。
だが、心の奥底で、ふと気づいた。
「俺は、ゲームのデータだったのか?」
その時、俺の意識が完全に消え去るのを感じた。
「存在しない…データ…」
そして、全てが暗闇に飲み込まれた。
前のページ
2/2
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 16票
























西谷史のデジタルデビルストーリーみたいで面白い