翔太は布団の中で固まる。
鼓動が早くなるのを感じながら、ゆっくりと身体を起こした。
「……またかよ……」
恐る恐る、インターホンのモニターを確認する。
そこには、黒い影が立っていた。
自分と同じ姿をした、”何か”が。
「……なんだこれ……」
翔太は息を呑んだ。
モニターの中の”自分”は、微笑んでいた。
まるで、こちらの反応を楽しんでいるかのように。
すると、”それ”は唇をゆっくりと動かした。
「アケテ」
声は聞こえない。
だが、確かにそう言っていた。
翔太は一歩後ずさる。
すると――
「ガチャ」
……玄関の鍵が、勝手に開いた。
翔太は必死に扉を押さえた。
だが、向こう側からの力は異常だった。
「やめろ!!!」
叫んだ瞬間、電気が一瞬だけ消え、部屋が真っ暗になる。
そして、次の瞬間――
目の前に”翔太”が立っていた。
だが、それは翔太ではなかった。
肌は青白く、目は真っ黒に沈み、口角は異常に吊り上がっている。
“それ”はニヤリと笑い、囁いた。
「お前はもう、こっち側なんだよ」
翔太はガバッと飛び起きた。
「はぁ……はぁ……夢……だったのか……?」
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