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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

誘われた笑い声
短編 2024/12/17 23:51 309view

仕事が忙しく夜遅くまで働いていた時のこと。
次の日の準備や調整で24時を過ぎることが続いていた。
その日も先輩達と仕事を終え、帰宅準備をして戸締りも確認し、みんなで階段を降り、入り口の鍵を閉めようとした時、一瞬、「タッ」と音がしたような気がした。
別にその時は気にもせず帰宅した。
後日、残業を終え、いつものように戸締りをして帰宅しようと入り口の鍵を閉めようとした時、「ぺタッ」と聞こえた。
「あれ?何か音したな。」と思ったが疲れていてすぐに帰宅したかったのでその時も気にせず帰宅した。
後日、また残業だったのでいつも通り戸締りをして帰宅しようとした時、耳をすましながら鍵を閉めようとした時、「ぺタぺタッ」と確かに音がした。
ビクッとしながらも、更に音がするか聞いていたが何も聞こえなかった。
「ん?どうした?」と先輩が聞いてくれたので、
「いえ、何か音しませんでした?ぺタぺタッって。前も少し聞こえたんですよね…」と答えた。

「音?何も聞こえなかったけどな…気のせいじゃないか?帰って寝よ!」と先輩は言い残し帰宅していった。
翌週も忙しさは変わらなかった。
しかし、今週を乗り切ればある程度仕事が落ち着くのでみんな仕事を頑張っていた。
そんなある日、先輩と私の2人だけ残業する時があり夜中まで作業をしていた。
仕事を帰宅しようとした時に、また音がした。
「ペタペタペタッ」
私と先輩は固まり、顔を見合わせ、
「聞こえた?」
「はい…」
2階につながる階段の方に耳を傾け、静かにしていたが、その後音はしなかった。

次の日、同じ先輩と残業になり、
「今日も帰りに音がするか確認しよう。」と言われ、「わかりました。」と伝えた。
仕事が終わり、階段を降りて鍵を開けようとした時
「ペタぺタペタペタペタペタペタッ」と裸足で2階を走り回っている音がした。
昨日までの聞こえるかどうかのレベルではなく、明らかに誰かが走り回ってる音。
私は一瞬で鳥肌が立ち、先輩も驚いて動けなくなっていた。
1分ほど経ち、音がしなくなったので急いで鍵を閉め車に向かった。挨拶もすることなくそれぞれ帰路についた。

次の日、先輩は会社を休んだ。
私は上司に昨日の出来事、それまでも微かに聞こえていたことを伝えた。
しかし、これといって何かされたわけでも無く音が聞こえただけなので具体的に何か対策をすることもなく話は終わった。

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