私の秘密
投稿者:たち (8)
その時、一瞬、
「まさか…いやいや、行くわけない…」
他の2人の会話が入ってこなくなりました。
「えっ?あそこに行った?1人で?」
「行ったとしても、明るい時間で景色を眺めに行ったんだ。」
「けど、テンション上がってたしな…」
1人で考えても仕方ないので、2人に、
「あそこに行ったんじゃない?」
と言ってみました。
「あそこって、え?灯台?」
私は頷き、時計を見ました。
入り口まで行ってみて、車が無ければ帰ってこようということになり灯台に向かいました。
運転をしながら、
「できれば行きたくない。車が無ければ引き返せばいいだけだ。」
と考えていました。
後部座席の2人も無言だったので、
「俺、1人だったら行かなかったよ。一緒に付き合ってくれてどうもな。」
と後ろの2人に伝えました。
「ビビリだもんなー」
とか言われ、少し笑顔で運転しました。
森林の入り口付近に到着した瞬間、複雑な心境になりました。
Aの車を見つけ、
「やっぱり、いた…」
「まだ灯台のとこにいるのか?」
「まさか…」
場所が場所なだけに最悪のことも一瞬脳裏をよぎりました。
見つけたという安心感、なんで1人でこんなとこに来たんだという不信感、頼むから無事でいてくれという願い、様々な感情がを抱きながら灯台へ急ぎしました。
鳥居をくぐり、祠を通り過ぎ、海の見える場所に出てすぐに灯台の方を見ました。
薄暗い中、灯台に寄りかかりながら座っている人影が見えました。すぐさま、灯台へ向かい、
「おい! A!何やってるんだ!」
「大丈夫?」
みんながそれぞれ Aに向かい問いかけました。
「えっ?ああ…みんな。」
寝起きかのような、ボーッとした反応でした。そんな様子に、少し違和感を感じましたが無事でよかったと安心しました。
「みんな、心配してたぞ。」
「帰ろうよ。」
と伝え、ようやく立ち上がり、4人で歩き始めました。
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