謎の葛籠(つづら)
投稿者:太山みせる (35)
短編
2023/12/31
10:48
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祖母から聞いた先祖の話
その昔、二人の武士が戦が嫌になり、武士の身分を捨てて農民になった
彼らは死ぬ前に大きな葛籠に何かを入れて、それを家の梁に吊るした
そして家族に、
「この葛籠は見てはならない。見たら目が潰れる」
と言い残した
その後何十年も、葛籠は梁に吊されたままだった
※
ある代の跡取り息子が、目の不自由な女性を嫁にした
その嫁が一人で留守番をしている時に、火事になった
慌てて火を消そうとするも、目が不自由なのでままならない
その時、突然葛籠が落ちてきて、火は消えた
家族は、先祖が助けてくれたと言って有り難く思ったという
葛籠は開けられることもなく、元の場所に吊された
※
明治時代になった
ある代の家長は息子の素行で悩んでいた
あちこちで遊び歩いては問題を起こしていたのだ
借金も溜まった息子は、葛籠を売ろうと言い出した
家長が反対をする中、勝手に葛籠を下ろして開けてしまった
だが、見たら目が潰れると何十年も言い伝えられてきた物だ
本当に潰れたらどうしよう!
結局、息子は怖くなって中身を見なかった
その後、彼の素行は少しは改善されたという
※
下ろした葛籠は再び吊されることはなかった
怖くなった家長が、海に流したのだ
葛籠には、なにが入っていたのだろうか?
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kanaです。なんだか歴史ロマンを感じますねぇ。
有難うございますm(_ _)m
どこかに残しておきたくて、ここに書かせて頂きました
中身は結局分からないままで、モヤっとした方、申し訳ございません