死ぬ前の臭い
投稿者:モチゴメ (1)
母はそれを聞いて不思議そうにバックミラーを確認しながら話し出しました。
「でも別にあの車線なにも、って、え?え?なに?
うそでしょ!!」
「え?」
突然大声を出した母に驚いて私が先ほどまでの車線を見ようとした瞬間、とても大きな音が響き渡りました。
あまりに大きな音だったので私は反射的に目を瞑りました。
そして目を開けた後、私の目に写ったのはトラックに車が追突したと思われる光景でした。
ただ、高速道路だったのでその光景は本当に一瞬で私には何が起こったのかほとんどわかりませんでした。
「え?なに?お母さん、どういうこと?」
私は後ろのほとんど見えなくなった事故現場を見ながら母に尋ねましたがすぐに回答がきませんでした。
不思議に思って事故現場から目を離し、母を見ると母は青ざめた顔でハンドルを握りしめて、少し震えていました。
そして、ちょっとだけ間をおいてから呼吸を整えるように深呼吸した後、震えた声で話し始めました。
「アンタが言ってた車線をバックミラーで見てたらね、すごいスピードで走ってきてる車が見えたの、でね、その車が突っ込んでいったの、トラックに」
「え?さっき私たちの前にいたトラック?」
「そう、」
それを聞いて私はなにも言えなくなりました。
母も同様だったのでしょう、私たちはしばらく無言で車で走り続けました。
「…臭いしなくなったね」
「…うん、そうだね」
その日はそのままお互い何も話さずに帰りました。
次の日になり、2人で考えた結論はこうです。
後ろから近づいて来ていた事故を起こす車と私たちはぶつかるはずで、おそらく私たちかどちらかが死んでいた。
だからあの臭いがした。
でも、私たちが車線変更をして事故を免れた。
あの臭いは病人など関係なく、死ぬ前に必ずする臭いだ。
そう考えたら今までちょっと便利だと思っていた臭いがとても怖くなりました。
もう嗅ぎたくない。
これが正直な気持ちです。
でも私にはこの臭いを止める方法を知りません。
つい先日、私は電車の中でたまたま隣に座った人からこの臭いを嗅ぎました。
本当にあるんだなあ
ファイナルディスティネーション
私の母も同じです、ご近所さんを見て「あの人あと3日だ」
…と言えばその通りに。
私もたまにわかります、初めてはスーパーで鼻をつぐむ臭いに嘔吐しそうになった時。
「なにこれ臭い人でもいるの?」なんて知らず呟くと「これが死臭だよ」と母。
…そうでしたか、確かに誰も動じてねぇ…
不思議ですよね、わかってもどうしようもないのに。
著者です。
コメントありがとうございます。
私と母以外にもわかる方がいたらと思い投稿したので、他にもいることがわかって嬉しいです!
本当になんとも言えない独特な臭いなんですよね、しばらく鼻に残るし…
本当にそうです、わかってもどうしようもないんですよね。
私は韓国人です もしこの内容を韓国語に翻訳して話をユーチューブに載せてもいいですか?
死期がわかる能力。死期を故意に回避したら、本当はその時死ぬはずだった運命を狂わせたことになる。つまりいずれあなたは回避したことによるツケを払うため、もっと凄惨な死に方をすることになる。代償は大きいね。みな死ぬんだから素直に受け入れることが大切だと思う。俺も臭いがわかるから。今、ひとりで部屋にいるのに臭う。130年間ありがとう。