野良猫が教えてくれた?
投稿者:チェスター (1)
私がまだ保育園だったころの話です。
私が通っていたところは野良猫ちゃんが一匹園内によくやってきて、先生や保護者、園児みんなから可愛がられていました。猫ちゃんの食事用に一つの小さなお皿を用意し、猫ちゃんはそこでご飯を貰ったりしていました。
ある日、園児同士の会話で「本物のカエルをまだ見たことが無い」という話になりました。当時3歳くらいだったと思います。何がきっかけでその話になったかは覚えていませんが、そういう話をしたことは覚えています。
先生も「そうなんだー。見たこと無いんだねー」と園児に話していました。
園の中には簡易的ですが、保護者の方が譲ってくださった使い古しの布団があり、雨風が当たらない遊具の下にそれを敷いていて、猫ちゃんはそこでいつものんびり過ごしていました。カエルの話をしていると、その猫ちゃんは欠伸をしてどこかへとことこと歩いて行きました。
その後園児たちはおやつを食べて、保護者の方がお迎えに来るまで遊びます。カエルの話をしていた子がお迎えが来た時、「先生も猫ちゃんとばいばいしよう」といって、猫ちゃんのお皿が置いてあるところに手を引っ張って連れて行きました。
また明日ね、と帰宅の挨拶をしようと遊具の下に顔を近づけると、そこに置いてあった猫ちゃんのおやつの皿のうえに、なんとカエルがいました。しかも驚いたことに、そのカエルは生きたまま無傷で皿の上にいて、猫ちゃんも手を出すことなくそこで寝ていました。
今となっては、いろんな偶然が重なった結果そうなったのかも知れませんが、もしかしたら猫ちゃんが「これがカエルだ」と教えてくれたんじゃないかなと思ってしまう、子どもの頃の不思議なお話でした。
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