存在しなかった部屋
投稿者:杜辺ユン (2)
私はこれを書いて居る現在、母方の祖父の家に居ます。
これは私が小さい頃に、この祖父の家で体験した はなし。
当時私は小学校1年生か、幼稚園を卒業したくらいでした。好奇心旺盛で、祖父の家に遊びにくれば
家中を走り回り、手に取るものすべてを遊び道具として使っていました。そんな私を祖父は一度も怒らずに、それどころか私と一緒になって遊んでくれるような心の優しい祖父でした。
その日は祖父の家で留守番を任され、またいつものように1人で遊んでいました。
私は、家の2階にあるお茶の間にいたのですが
ふとお茶の間にある収納扉が気になり、開けてみました。その扉、いつもは扉の前に家具が置かれてあり、使われて居る感じが全くない収納扉なのです。
「何が入ってるんだろう」くらいの感覚だったと
思います。家具をどかし扉を開けると中には
特に変わった物はなく、祖父や祖母の使わなくなったものなどが置かれて居たのだと思います。
「なんか、つまんなかったなー、」いっけん
普通の収納だったのですが、私は上の方に
さらに扉があることに気がつきました。
「屋根裏だ!!」
屋根裏につながる扉です。
私は、収納に入ると家具や物を上り、その屋根裏につながるであろう天井扉に手をかけました。
扉を開けると中は凄く広い空間が広がっており
壁紙や天井が真っ黒な部屋がそこにはありました。部屋の隅には掛け軸かポスターのような物が貼られて居たのを覚えています。
そしてさらに、私は扉を見つけました、
今度の扉は少し小さく、引き戸になっていました。
すっかり冒険心に取り憑かれた私はその引き戸を
開けてみます。
すると、中は狭く外の光が漏れており
普通の屋根裏になって居ました。
よくみてみると、奥の方には何か箱のような物があり、小さな祭壇のようなものもあったと思います。
流石の私も、それを開ける勇気はなくここら辺で
私は元来た道を戻りお茶の間へ帰りました。
… 今から2年ほど前、この事を不意に思い出した
私はまた屋根裏に登って見ようと思い、ちょうど
祖父も祖母も留守にした時に、あの時と同じように収納扉を開けて、屋根裏へ登ろうとしました。屋根裏へ続く天井扉をみつけ、扉を開けました。
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