消えた女性

それは私が小学生の時でした。夜中に家を抜け出し遊ぶ事が楽しかったので毎日夜中に家を抜け出していました。

そんなある日、遊び疲れたので家に帰ろうとした時、自宅脇の自動販売機に髪の長い女性の様なものが見えました。

私は母親と思いバレるとまずいという感情から約10m位離れた場所で隠れ、家に入るまで道路の反対側に隠れていました。

自宅との境の道は国道の為、普段は大型トラックが多く走っているはずが、その日はなぜか物静かなくらいでした。

しばらくたってもう帰ったかなぁと思いまた自動販売機を見てみるとまだ女性が立っていました。

母親だと思っていた為、早く帰れと心で強く思い再び自動販売機を見た時、遠くから大型トラックが走ってきました。

自動販売機の前にいた女性は大型トラックが近くまで来た途端に道路へ飛び出しました。

僕はマズイと思った瞬間ふっと女性の姿は消え大型トラックは何事も無いかのように走っていきました。

何が起きたのか理解できずにしばらく固まっていました。

その後何も変化がなかった為、自宅へ逃げるように帰り翌日やんわりと親に話をしてみた所、

目の前の国道は昔から集落の真ん中を通っている為、交通事故で亡くなる人がたえなかったとのことです。

あの時見た女性は誰なのかは分かりませんが、良く事故の起こる場所なので何か教えてくれていたのかもしれません。